土壌硬化

セメントだけじゃない!

酸化マグネシウムが鉄鋼業界向けの耐火物原料などに活用されていることはすでに説明しましたが、近年、酸化マグネシウムの特徴である難溶性や弱アルカリ性がますます着目されるようになり、その用途拡大を目指して土壌硬化材としても普及し始めました。マグネシウム土壌硬化材の特徴としては、

  • 食品添加物や苦土肥料でもある酸化マグネシウムを原料としているので生態系への影響がない
  • セメントと同様の自ら硬くなる性質がありながら、砂や砂利などが不要
  • 施工する現地の土を固めるため、不要になれば自然の土にもどせる
  • 施工面の温度上昇を抑えてヒートアイランド現象を抑制する

などが挙げられます。デメリットとしては、セメント製品より割高な点が挙げられますが、今後、こういったコストの問題は解決されるだろうといわれています。

古来の人は知っていた

「万里の長城」を知らない、という人はなかなかいないでしょう。言わずと知れた、世界遺産に登録されている中国の代表的構造物です。そして、興味深いことに、古代の中国の人々が、石を組み上げる際の目地材として、酸化マグネシウムを使ったことがわかっているのです。その強度のおかげで、現代まで数千年前の姿がほぼ原形のまま保たれている、といわれています。当時の人々は、科学的な検証が十分にされていなかったのにも関わらず、土壌硬化材としての酸化マグネシウムの優れた働きを、経験的に理解していたのです。酸化マグネシウムが、いかに古くから私たち人類の環境を支えていたのかが窺える、非常に面白い一例だといえます。

循環エネルギー